
2013年製作(イギリス)123分
監督:リチャード・カーティス
ニュージーランド生まれで11歳の頃にイギリスに移住。
脚本家としても、「Mr.ビーン」、「ノッティングヒルの恋人」、「ブリジット・ジョーンズの日記」などの数々の名作を残している。
キャスト
ドーナル・グリーソン(ティム・レイク役)
レイチェル・マクアダムス(メアリー)
個人評価:★★★★☆
映画「アバウト・タイム」あらすじまとめ

イギリスに住むティム・レイク(ドーナル・グリーソン)は女っ気のないシャイな若者で、両親、叔父、妹のキット・カットと海に近い開放的な家で幸せな生活を送っている。
(海に近いリゾート風自宅、毎週末に庭で映画鑑賞、ほぼセレブレベルの優雅すぎる生活)
ある日、ティムは父から、一族の男はタイムトラベルの能力を持っていると教えられる。
父から「金のためにタイムトラベルを使うと破滅する。理想の人生を送るために使うように」と警告を受け、ティムは自分の恋のために使うと心に決める。
夏休みに入り、妹のキット・カットが容姿端麗の友人シャーロットを自宅に呼ぶことになり、ティムはシャーロットに憧れる。ティムは何とか自分のものにしようとタイムトラベルを繰り返すも、恋は実らず。
夏が過ぎ、ティムはロンドンで弁護士の職に就く事になり、父の知り合いで癖のある脚本家のハリー宅に居候させてもらう事になった。
ある日、ティムは弁護士事務所の同僚ジェイと、真っ暗闇パーティーのレストランに出向く。そこでティムはメアリーと知り合い、暗闇の中で何時間も会話を楽しんだ。
その後、ティムは店外でのメアリーとの初対面で一目惚れし、その場で電話番号をゲットする。

その日の夜、自宅に戻ってきたティムは、脚本家のハリーが「舞台役者がセリフを飛ばして舞台が台無しになった」と嘆いているのを見る。
ティムはハリーを助けるためにタイムトラベルで過去に戻った。ハリーの舞台を成功させるため、セルフを飛ばすはずの役者にカンペを出すなどして舞台は大成功を収めた。
無事に現在に生還したが、ティムはゲットしたメアリーの電話番号が入っていない事に気付く。同じ時間にタイムトラベルした事で、メアリーと会えなくなっていたのだ。
ティムは何とかメアリーに再開しようと、メアリーお気に入りの“ケイト・モス”の写真展に通い詰めて、ようやくメアリーと再会する。だがメアリーには彼氏がいる事が分かった。
ティムはメアリーから、二人が出会うパーティーの詳しい情報を聞き出して、その時間と場所にタイムトラベルする。そしてメアリーに積極的にアプローチをして恋仲になる事ができた。
二人は恋人同士として一緒に暮らし始める。メアリーの両親が突然メアリーに会いに来るなど、その度にティムは失態を晒してしまうが、タイムトラベルで何とか乗り切っていた。
ある日、ティムは妹のキット・カットが夏休みに連れてきたシャーロットと再会。ティムは何となくシャーロットに誘われてしまったが、それは恋愛ではなく憧れだった事、自分はメアリーを愛している事に気付く。
ティムはシャーロットの誘いを断ってダッシュで家に戻り、メアリーにプロポーズをする。何度も何度も失態を晒すが、その度にタイムトラベルでプロポーズをやり直して成功に導いた。
結婚した二人は娘を授かり、幸せな日々を過ごしていた。一方で、ティムの妹キット・カットは男運に恵まれずに不幸まっしぐらであった。

ある日、娘の誕生日会で妹のキット・カットは飲酒運転で事故を起こし病院送りとなってしまう。
ティムはキット・カットを救うためにタイムトラベルの事を告白。駄メンズの彼氏に会わないように一緒にタイムトラベルをして、現在の彼氏から遠ざけることができた。
ティムが生還し、娘の誕生日会に戻ると自分の娘が別人になっている。
父の話では「自分の子供が出来る前にタイムトラベルをすると別の子が生まれる」と聞き、もう一度タイムトラベルをして元に戻す。その後生還するとキットカットは病院の上だった。
だが、その後、ティムは妹のキット・カットを同僚のジェイと引き合わせる事に成功。
ティムとメアリーには、もう一人の息子を授かった。
ある日、ティムは、父が末期癌で先が長くない事を聞かされる。ティムは父を救おうとするが、父は喫煙が原因なのでタイムトラベルできないと聞く。
父は自分の末期癌が分かってから、家族と過ごすために何度もタイムトラベルを繰り返していた。
父はティムに「最初は緊張や不安でその瞬間をゆっくり味わえない。タイムトラベルで二度過ごせば、色んな事に気付き、幸せを噛みしめる事ができる」と助言した。
ティムは父の教えに従い、何度も二度目を楽しく過ごすことで全ての出来事が好転した。
ティムとメアリーの幸せな結婚生活、父とティムの親子関係、妹のキット・カットの新しい出会い、感動の結末を映画でお楽しみください。
映画「アバウト・タイム」のキャスト
ティム役のドーナル・グリーソンは色白の痩せ型。そして綺麗なブロンドヘアーを持つ俳優。
彼の存在を知らなかったが「スターウォーズ」や「ハリポタ」にも出ているらしい。いわれてみると確かに出演していたような気がする。
イケメンとまではいかないものの、優しさがにじみ出た草食系男子の雰囲気、頼りなさは、ティム役にはピッタリのはまり役。
メアリー役のレイチェル・マクアダムスは数々の賞にノミネート、受賞している実力派で、笑顔がチャーミングな女優。
同映画出演時は35歳のようだったが、年齢より随分と若く見える。大学生といっても通るほどの容姿。相当ハイレベルの化粧?加工?照明の当て方なのか?
映画「アバウト・タイム」のストーリー
ワンクールのドラマをぎゅっと凝縮して総集編にしたみたいに話がどんどん展開していく。
特に、ティムとメアリーが出会ってから子供をもうけるまでの超特急の流れは、二人の恋愛が薄っぺらに感じる。単なる恋愛映画としてみれば非常に残念な作品である。
どうやら、この作品は恋愛ごっこで人を感動させようとしている映画ではなさそうであった。
誰でも人生の中で何度も失敗を繰り返し、その度に、もう一度チャンスがほしいと悔やむ。しかし、主人公ティムは悔やんだ後に本当にやり直すことができる。
主人公ティムになりきって観ていると、残念な行動がタイムトラベルで直ぐに修正できるので痛快である。
ティムのドタバタ恋愛、父や妹に対する愛情などの話が盛り込まれていく中で、ただの恋愛ストーリーを見せたいのではなく、この映画が何を伝えたいのかは十分感じる事ができた。
映画「アバウト・タイム」を観て考えた事

私達は普段の当たり前の生活に感謝する事も、幸せを感じる事も見失っている。
勉強ができる事、仕事ができる事、食事ができる事、シャワーが浴びられる事、運動できる事、家族がいる事を当然のように考えて、単なるルーティーンになっている。
活動している今この瞬間を一つ一つ噛みしめて「二度と戻らない大事な時間」と思う事ができれば今をどれだけ大事に過ごせるだろうか。
もし今が辛い立場であれば早く過ぎ去ってほしいし、今の世の中は不安になる事ばかり。でも二度と戻れないこの瞬間を、嫌な事ばかり思って過ごすのは本当に勿体ない。
すごく難しい事だけど、毎日、イライラ、悶々と暮らすよりも。もっと心に余裕を持って、今この瞬間を大事に過ごせば100倍幸せになるだろう。そういう生きる活力を与えてくれる作品だった。その思いを忘れないために何度も観返したい作品。
