
2019年製作(アメリカ)122分
監督:トッド・フィリップス
キャスト
ホアキン・フェニックス(アーサー・フレック)※ジョーカー
ロバート・デ・ニーロ(マレー・フランクリン)※コメディアンの司会者
フランセス・コンロイ(ペニー・フレック)※アーサーの母親
ジェームズ・ガーナー(デューク)
個人評価:★★★☆☆
映画「ジョーカー」あらすじまとめ
ゴッサム市は困窮者が増えて、どんどん治安が悪くなっている。アーサー·フレックは、その街で母と貧しい二人暮らしをしている。
母ペニー・フレックは心臓病で寝たきりの生活で、アーサーはピエロ派遣会社から仕事を貰って貧しい生活を送っている。
アーサーは子供のころから緊張すると笑いが止まらないという発作で苦しんでいるが、コメディアンになる夢は持ち続けている。
そんなアーサーの身に、こんな貧しい生活をも脅かす不幸が次々に起こってしまう。
政府予算削減で精神病カウンセリングが打ち切られ、ピエロの仕事で複数の少年に商売道具のセールの看板を壊された挙句にボコボコにされ、その看板の弁償を迫られ、小児病棟の余興で拳銃を落とし、職場への拳銃持ち込みにより仕事をクビになる。
仕事のクビになった日、ピエロに扮装したままの地下鉄での帰り道、ビジネスマンにからかわれていた女性がアーサーに目配せをしてアーサーに助けを求めた途端、アーサーは酷く緊張して笑いが止まらなくなる。その結果、アーサーはビジネスマンにボコボコに蹴られる。そして、持っていた拳銃で3人を射殺してしまった。アーサーはその時に異常な高揚感に目覚めてしまった。
アーサーはコメディライブショーに出演。幸運にも、そのショーの様子がTVコメディーショーのMC、マレー・フランクリン(ロバート・デ・ニーロ)の目に留まる。そのVTRは意外にも反響を呼んでアーサーに出演オファーを申し込む事になった。
アーサーの母ペニーは、昔、大富豪のトーマス・ウェインに仕えていたが、現在の苦しい生活を助けてもらおうと彼に手紙を送り続けていた。

そしてアーサーは家で偶然その手紙を目にした。その内容は、アーサーはトーマス·ウェインの息子だという内容だった。アーサーは使用人だった母ペニーと大富豪トーマス・ウェインとの子供だと事だった。
アーサーは真実を確かめるために何度もトーマス・ウェインに近づき、ようやく映画の上映会のトイレで彼に真実を問い詰める。そこで告げられたのは、アーサーは養子だという事実であった。
アーサーは、さらに、その真実を確かめようと母親が入院していた病院の記録を強引に手に入れた。そこに書かれていたのは衝撃の事実であった。
アーサーは養子として引き取られた事、さらに当時の母親の恋人に虐待を受けて、現在の笑いが止まらない病気になるきっかけの脳の損傷を受けたという事実を知る。
その後、母親が倒れてアーサーは看病する事になるが、自分の中で何も愛が存在しないと自暴自棄になっていたアーサーは、ベットで眠っている母親に枕をかぶせて殺してしまった。
母親が亡くなった事を心配しに来たピエロ派遣会社の元同僚がアーサーを訪ねてくるが、憎んでいた拳銃を譲ってくれた1人の同僚を刃物で殺してしまう。
一方で、街中は困窮者たちが地下鉄で3人のビジネスマンを射殺したピエロ(アーサー)を英雄化して、富裕層に対する暴動が激しくなっていた。
アーサーはオファーを受けていたTVショーに出演する日がやってきた。
MCのマレー·フランクリンと受け答えしている内に、徐々にアーサーの悪の心が現れ始め、地下鉄のビジネスマン殺しの犯人は自分であると告げる。
放送中の番組で自分が殺人犯だと告白したアーサーは、どのような行動をするのか、続きは本編をご覧ください。
映画「ジョーカー」のキャスト

狂気に満ちたアーサー役を演じるホアキン・フェニックスは、「グラディエーター」、「サイン」、「ウォーク・ザ・ライン」、「ホテル・ルワンダ」など数々の名作に出演して、ゴールデングラブ賞、カンヌ国際映画祭、アカデミー賞などを受賞、その他、多くの作品でノミネートされた経験を持つ名優です。「ジョーカー」では、アカデミー賞主演男優賞受賞、ゴールデングローブ賞主演男優賞受賞、その他、様々な賞を受賞してはります。
「ジョーカー」で絶望の底から狂気の顔に変貌するアーサー。哀愁と怒りに満ちた役を見事に表現してます。目の奥に潜む闇、哀愁しか感じない笑い声で、これだけ震え上がせられる演技力は尋常じゃありません。絶対に経験もしてないはずの役にどうやって入り込めるんやろか。この役者の想像力が恐ろしいです。夜道であんな哀愁と狂気に満ちた目で睨まれたら体が硬直して動かれへんようなってしまいそうです。
コメディーショーのMCのちょい役がロバート・デ・ニーロって、、、何てもったいない、、って思てしまいますけど、映画の内容が内容だけに、ロバート・デ・ニーロが少しでも出てくれたおかげで、気持ちが救われた気がします。
しかし、デニーロ、もう75歳やのに映画に出演し続けれるって、、ほんでもって、ちっとも衰えを感じない。感服しますわ。ほんま、まだまだ現役を続けてほしいもんです。
映画「ジョーカー」のストーリー

テレビの明るさ調整の問題ちゃうかーと思ってしまうほど全体的に映像が暗かった。でも、それが作品テーマ的に緊張感を持たせてます。
ジョーカー(アーサー)の闇に包まれた人生なんで内容が暗いのは承知の上やったけど、人を殺す高揚感とか、、実際見てみると嫌悪感が残ります。
それにしても、悪役の裏の物語が映画になるなんて、昔のヒーローもんだけがフォーカスされた時代には考えられへん事です。アメコミ好き、バットマン好きにはたまらん作品やと思います。
この作品の興行成績は、R指定作品としては10億ドルを超えて歴代一位。日本でも2019年12月に50億を突破した超大ヒット作品です。
ほんまに進化した世の中になりました。自分が時代に取り残されているんですかね。
映画「ジョーカー」を観て考えた事

単なるバットマンの悪役アーサー(ジョーカー)の裏物語のようですけど、貧困による教育問題、虐待問題、医療問題、格差社会の歪などを表現していたかもしれません。
アーサー視点から見ると、貧困層が抱えている闇を全て凝縮したかのような生い立ちです。
愛に飢え、虐待を受け、十分な教育も受けなかった彼は社会に出ても、まともな職につけずに困窮し、精神的な障害を抱えた大人になってしもてます。
そういう社会に不満を抱えたままの人間って、心の闇にある憎しみやネガティブな感情が、ある事がきっかけで狂気に満ちた人間に変貌してしまうんかもしれません。
格差社会をなくすのんは簡単じゃないですけど、それは小さい子供達に何の罪もありません。
子供たちに平等な教育を与える事、暴力に晒された大人から守ってやる事を、国がもっと全力でサポートしてやらなあきません。軍事予算とか富裕層の利権を守るために政府予算を使うんやなくて、こういった教育や社会保障を優先的に予算配分してほしいです。
