
リトル・ミス・サンシャイン [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]
2006年製作(アメリカ)100分
監督:ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス
キャスト
グレッグ・キニア(リチャード・フーヴァー役)フーヴァー一家の父親
トニ・コレット(シェリル・フーヴァー役)リチャードの妻
ポール・ダノ(ドウェーン・フーヴァー役)フーヴァー家の長男
アビゲイル・ブレスリンオ(オリーヴ・フーヴァー役)ドウェーンの妹
アラン・アーキン(エドウィン・フーヴァー役)リチャードの父
スティーヴ・カレル(フランク・ギンスバーグ役)シェリルの兄
個人評価:★★★★☆
目次
映画「リトル・ミス・サンシャイン」あらすじまとめ

フーヴァー家は、それぞれに問題を抱えている家族。
ある日、フーヴァー家の妻シェリルは、自殺未遂を起こした兄フランクを一人にはできないので、長男ドウェーンの部屋に居候してもらう事にする。
フランクはフーヴァー家に、自分はゲイで彼氏に振られたので自殺未遂を起こしたと告げる。
家族はそれぞれ個人の問題を抱えている。
フーヴァー家の父親リチャードは自己啓発プログラム開発を行っているが、なかなか軌道に乗らない。
フーヴァー家の長男ドウェーンはニーチェに影響されて一切言葉を発さず全て筆談で答えるが、パイロットになるという夢は持っている。
妹のオリーヴはミスコンに憧れている小さなポッチャリ体型の女の子。
同居しているリチャードの父親エドウィンは麻薬中毒者で口が悪く下品であるが、オリーヴを溺愛し、ダンスを教えている。
リチャードの妻シェリルはそんなまとまりのない家族の関係に、いつも苛立っている。
ミスコンに憧れている娘オリーヴは「リトル・ミス・サンシャイン」の地方予選で繰り上げ優勝となり、カリフォルニアの本予選の出場権を得た。
父親リチャードはお金がないので、コンテストが開催するカリフォルニアまで1,000km以上の道のりを、一家総出でポンコツのワゴン車で行く事になった。
その道中で一家それぞれに不幸が降りかかる事になる。
まずは、いきなり車のクラッチが故障してしまい、エンジンをかける時はいつも押しがけする事になってしまう。

一家の父親リチャードは運転中に電話を受けて、進めていた自己啓発開発プログラムの出版がおじゃんになってしまったという話を聞いてショックを受ける。
妻シェリルの兄フランクはリチャードの父から頼まれて、コンビニでエロ本を買っていた時、失恋した彼氏に遭遇してしまう。
初日のホテルで宿泊した翌朝、リチャードの父エドウィンはホテルで眠ったまま、そのまま帰らぬ人となってしまった。しかし遺体の手続きをしているとコンテストに間に合わなくなるので、こっそり遺体を車に載せてカルフォルニアに向かう事になった。
長男ドウェーンは妹の遊びに付き合っていた時、自分が色弱である事が判明し、パイロットの夢が崩れる事になり発狂してしまう。
無事に走り出したが、クラクションが途中で壊れて、かすかなクラクションが鳴らしながら、無事にコンテスト会場に到着する。受付に4分遅れてしまったが、リチャードが頼み込んで他のスタッフに登録手続きをしてもらう事になる。
リチャードと長男ドウェーンは、まわりの子供たちのレベルの高さにショックを受け、妻シェリルにオリーヴの出場を辞退するように説得するものの、シェリルはオリーヴに挑戦させてあげたいと反対する。そして自信のないオリーヴは踏ん張って自己PRのダンスに出場する事になる。
亡くなった祖父エドウィンから教わったダンスを披露することなったオリーヴは、本番で実力を発揮するのでしょうか。続きは本編をご覧ください。
映画「リトル・ミス・サンシャイン」のキャスト

出演している俳優陣は、それぞれ個性的でコミカルな役を愉快に演じている。それぞれ癖は強いが嫌味がなく、むしろ彼らの役に愛着を感じる。
大きな眼鏡をかけてポッチャリしている女の子役のアビゲイルは、純粋で元気がよく、もっさりした出演者の中で花を添える役柄を演じていた。
ポール・ダノは長男役ドウェーンの根暗な役を見事に表情だけで表現している。それほど根暗役を見事に表現していたので、途中から声を出す役になった事に少し安堵感があった。
おじいちゃん役のアラン・アーキンは、薬物中毒でいつも毒舌を吐いている役で印象を与えていたのか、この作品でアカデミー助演男優賞を受賞している。
映画「リトル・ミス・サンシャイン」のストーリー
本作はアカデミー賞脚本賞を受賞している。
ポンコツ車を押しがけしたり、クラクションが壊れたりするシーンが妙に笑える。。。映画でこれだけ声を出して笑えたのは久しぶりだった。
正直、このコミカルなシーンだけでも、この映画を観た価値はあったと思う。
(そんなアホな)というストーリー展開が次々に起こり、ちらほら細かく控え目な落ちを入れてくれるので、懐かしいコントを観ているようだった。
むしろ、露骨に分かり易いコテコテの落ちがちりばめられている「裸の銃を持つ男」の方が何気に好きだが。
全てカッコ悪い役だけど、みんな健気で、心に平和な気持ちを与えてくれる愛すべき役ばかりだった。
個人的には、、、長男ドウェーンが、色弱でパイロットの夢を諦める事になり、発狂するシーンには非常に共感できた。
私も就活している時、アパレルを目指していたが、「色弱」と分かって酷く落ち込んでしまった記憶が蘇ってしまった。結果的には、いろんな意味でアパレルじゃなくて良かったなと思っているけど。
映画「リトル・ミス・サンシャイン」を観て考えた事

この映画で一番心に刺さったのは、おじいさんが不安だらけの孫オリーヴに「負け犬っていうのは、負けるのが怖くて挑戦しない奴らだ」とささやいた場面。
新しい挑戦というのは、ひたすら努力を続けても最初は上手くいかない。心身ともに負荷が掛かるしストレスも多い。しかも成功するとは限らない非情な行動である。
新しい挑戦をしなければ、そんな努力も不要だしストレスも掛からないので、自分が出来る得意な事だけを突き詰めて一生懸命やっていれば、むしろ、そちらの方が成功への近道だろう。
この映画は「本当に成功する事だけが幸せなのか?」「成功と認めるのは他人ではなく自分ではないのか?」という事を訴えてくれた作品。
勿論、チャレンジする事自体に満足するのではなく「何を目指してチャレンジするのか?」「目指す目標を達成するにはどうしたいいのか?」という事を突き詰めて考えるのが重要だと思う。

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